りんご村について

りんご村

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法人概要

団体名 特定非営利活動法人りんご村
所在地 〒111-0031東京都台東区千束3-20-24
連絡先 TEL 03-3874-7922FAX 03-3875-7222
設立 昭和62年(1987年)
事業内容
  • 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業
  • 障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業
  • 障害者総合支援法に基づく一般相談支援事業
  • 障害者総合支援法に基づく特定相談支援事業
  • 児童福祉法に基づく障害児相談支援事業
  • 障害者の生活訓練を目的とする「生活ホームりんご村」の運営に関する事業
  • 障害者のグループホーム「アポロ」の運営に関する事業
  • 成年後見制度の普及、啓発、利用相談及び事務支援に関する事業
  • 法定後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び法定後見監督人、任意後見監督人に関する事業
  • その他この法人の目的を達成するために必要な事業
対象 身体障害者(児)/知的障害者(児)
定款 こちらのPDFファイルをご覧ください

沿革「りんご村の歩んできた30年」

1987生活ホームふれあいの家りんご村 開設

宿泊活動に参加するほとんどが重度障害者(身障手帳1級)であり、知的障害を併せ持つ重複障害者も含まれています。必要な人に必要な支援を組み込み、生活をコーディネートしていく仕事はりんご村の職員が担います。自立生活とか自立訓練などというと、一人で身辺処理ができるとか、自分で判断して行動できる事などをイメージしがちですが、そのような障害にあえて「自立」・「自立」という必要もないわけで、むしろ出来ない事、出来ないところをそれぞれの習熟度に見合った援助を受け、自分らしく生活していく能力を身に付ける事を目的としています。
日本の社会が長い間親達(特に母親)に障害児達の養育をすべて押し付ける形にしてきてしまったこともあり、強い母と子の結びつき・絆から親と子を分離させ、それぞれの歩みを作っていこうとする事は思ったより手ごわく、双方にとっても不安な事でした。職員やボランティアと共に暮らしながら、少しずつでも可能性に向かってチャレンジし続け、諦めずに繰り返すことが「自分にも出来るんだ」という自信となり、次への意欲となってステップアップしていきました。
まずは「家から離れる・親から離れる」ことさえ不安で心細かった彼らが、りんご村に来ることを楽しいと思うようになり、宿泊活動を自分の将来生活を具体的に考え、実現していく為の場として位置付けられるまでに変わっていきました。もちろん親達にとっても、まさしく「親の自立の一歩」が子供の成長と共に促されていきました。

1994生活ホームフロム千束 開所

運営:社会福祉法人台東つばさ福祉会
障害者のライフスタイルに合わせた「自立生活の場」は、それぞれの障害者や生活力、あるいはこうありたいと願う選択により色々な場が考えられます。仲間同士の助け合いや、共通の介助を受けるなど「グループ」としての生活や、一人暮らし、家族との暮らし、など様々です。まずはグループで暮らす「生活ホーム」の設置を守る会として行政に要望し、手をつなぐ親の会と合同で、平成6年「社会福祉法人台東つばさ福祉会」を設立。『生活ホームフロム千束』が誕生しました。
入居者4名・体験入居者1名・ショートステイ1名(平成18年にはショートステイは無くなり、体験入居者2名となりました。)の機能を持った念願の施設の誕生です。運営は台東区から、親の会と守る会が設立母体となって立ち上げた「社会福祉法人つばさ福祉会」に委託されました。りんご村の宿泊活動に参加していたメンバーの多くが入居しました。また、体験入居(1ヶ月~3ヶ月)も利用可能な、地域に開かれた生活拠点となりました。
しかしながら私達にとって『生活ホームフロム千束』の誕生は、地域に新たなニーズを生み出しました。入居希望者が定員を超えていた為、やむなく対応の枠からもれた人たちがでました。台東区福祉計画ではもう一箇所の設置計画がありましたが、やはり希望する人が全員入居できるわけではありません。生活ホーム設置だけにとらわれることもなく、もっと多様な活動と暮らしの在り方を模索していこう…という想いが広がりました。「生活ホームフロム千束」を体験している人にとっても、地域での自立生活に踏み出したいという望みには高い壁がありました。
現行の制度やサービスを利用したら本当に台東区で障害者が自立できるのだろうか?もしそれが可能であれば生活ホームのように専従の職員が居なくても、各種の制度やサービスを受けながら自宅や借家で暮らす事だって出来るかもしれない…。それには<現実に近い生活を体験できる場><必要な知識や生活術を学ぶ場>が必要なのではないか。地域で暮らしていける可能性を求めて、りんご村ともフロム千束とも違う新しい発想の生活施設作りを模索し始めました。親離れ・子離れの入門コース「生活ホームりんご村」から次のステップ自立生活体験コース「生活ホームひまわり」へと発展していきました。

1997生活ホームひまわり 開設

親や家族の介護を受けなくても、あるいは親や家族の介護基盤が崩れても、生まれ育ったこの街で暮らし続ける道はないのだろうか…、グループでの生活なら安心かもしれない限りある社会資源と財源を考えるとグループホームにすべての期待はかけられない現実がある…。それなら、とりあえず親を頼らず暮らしてみる生活体験、自立生活に近いものをやってみたらどうだろうか…。全面的なバックアップ機能をりんご村が担い、新しいチャレンジが始まりました。まず住民票を移す(親の扶養から外れ、本人単独の健康保険証を取得するなど、障害者の一人暮らしの形を作る)・現在ある制度やサービスを検証する(親と一緒にいたら利用資格がなかった制度やサービスを使える)・地域にある支援組織や民間活動を積極的に利用する・生活を維持していく為の生活術を学ぶなど、半年間の体験ではありますが、それはまさしく半年間の自立生活でもあるわけです。「生活ホームひまわり」の取り組みは5年間に8名の体験入居者を迎え、その中から5名の自立生活者を地域に送り出しました。自宅での生活を選択した人も、まったく親に依存した生活から自分の将来を考えるきっかけともなりました。現在は福祉サービスが充実し、一人暮らしが可能な時代となったため、休所となりました。

2001重度重複障害者グループホームアポロ 開設

親との暮らしから独立し、住民票を移して自立生活体験を行なう暮らしの場「生活ホームひまわり」の活動は《あなたはこれから地域の中でどう暮らしたいのか・どんな暮らしを望んでいるのか》を障害者に問いかける役割を果たしました。結果、見えてきたものは身体的に重度の障害を持っていても、自立の意識を明確に持っている人は、ほとんどの人がグループでの暮らしより出来れば独り立ちしていきたい(自立したい)ということでした。重度の知的障害を併せ持つ重複障害者の地域での自立を考えた時は、やはりグループでの生活が必要です。活動の目標を重複障害者の地域での自立をどう成り立たせていくかに置き、また新たなニーズに向かっての挑戦となりました。りんご村15年の、自立に向けての宿泊体験・フロム千束での自立体験入居など、積み上げてきた重度重複障害者の人たちにとって、《暮らしの場と支援体制》さえあれば地域での自立も可能なのです。『重度の子の親も老いるのです。どんなに地域で暮らさせたいと思っていても家族には限界があります。そんな子供達のためのグループホームはまだまだ夢なのでしょうか』一人のお母さんの言葉を忘れたことはありません。制度も地域支援体制も重度重複障害者の地域生活を支えるまでには程遠い現実・・・、確実に老いていく親達の姿。平成12年から始まった、東京都身体障害者グループホーム制度に私たちはこの夢を託しました。~どんなに重い障害者だって地域の一員としてこの街で暮らしていきたい~、その想いを追い求めたりんご村の活動が15年経ってやっと一つの到達点にたどり着きました。4名の重度重複障害者が親元から独立しました。そして親達は自分の命ある限り子供達の暮らしを見守り、支援していくことでしょう。

2002NPO法人りんご村 設立

必要なニーズの充足に向けて一歩一歩前進してきました。「生活ホームりんご村」・「生活ホームひまわり」・「グループホームアポロ」の設立など、重度の障害を持っていても、住み慣れた地域で暮らし続けられる住環境の整備と自立に向けたトレーニングを活動目標に様々な事業展開をしてきました。しかしながら今後概存の事業を遂行し、さらには発展させていくには父母の会という任意団体ではもう無理なのではないかという意見が出始めていたことも合わせて、平成13年設立した「グループホームアポロ」を東京都身体障害者グループホーム制度に適用させるには法人格を持つ団体であることの必要性が出てきました。「特定非営利活動法人りんご村」はこれからも一人ひとりを大切に、きめ細やかなニーズに対応できる活動を進め、障害者とその家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう支援していきます。

2003りんごエイドケアセンター 開設

障害者の自立生活を支える基盤となっていた「全身性障害者介護人派遣制度」は、障害者本人が「自分が介護サービスを受けたいと思う相手を選ぶ」ことができました。無資格の介助者であっても、自分に対する介護能力を有すると判断できれば、本人と介助者の判断で自分のヘルパーを区に登録できるというものでした。反面、利用対象者は一人暮らしであること、介助者を本人が自分で確保しなければならないことなど、課題も多くありました。
平成15年、介護人派遣制度に変わり、支援費制度がスタートしました。これにより、ヘルパーの資格を有する人が、派遣事業所から派遣されることになり、利用者にとっては自分で介助者を探す必要はなくなりました。障害者本人が主体となって自分の暮らしを作り上げてきたこれまでの制度から、事業所と契約し、介助者を派遣してもらう制度への変革は、当時大きな反響がありました。
りんご村は平成15年の支援費制度に合わせ、重度重複障害者グループホームアポロへの訪問介護員の派遣を行なうため、介護人派遣事業所りんごエイドケアセンターを開設しました。現在はグループホームアポロへのヘルパー派遣の他、地域で一人暮らしをしている障害者へのヘルパー派遣、移動支援での外出支援などを主に行ない、障害者が地域で自分らしく充実した生活が営めるよう運営しています。

2009相談支援センターアップル 開設

その人なりの自立を目指して様々な活動をしてきたりんご村も年月が経ち、障害者本人も親も共に高齢となってきました。介護基盤が崩れてきている現状が出てきたことを考え、親なきあとも親の想いや本人に寄り添った支援者が必要だと、相談支援事業所を開所しました。
開設当時、事業としては「東京都指定相談支援事業」の指定はとったものの、対象者が限られ、資金としては運営ができない状況の中でのスタートでしたが、平成24年には台東区の委託を受けることができ、平成26年には、「指定特定相談支援」の指定を取り、計画相談支援を開始しました。
相談支援センターアップルは障害当事者がどんな思いを持ち、どんな暮らしを送りたいか、福祉サービスだけではなく、様々な問題を一緒に考え、関係機関と連携を図りながら、ともに歩んでいく立場でありたいと考えています。

2023NPO法人りんご村 法人後見を受任

成年後見人の職務は大きく分けて「財産管理」と「身上監護」に分けられます。りんご村のような法人が後見を行う大きな利点としては、「身上監護」を重視した関わりがとれることです。
「身上監護」とは、後見人が、被後見人の心身の状態や生活の状況に配慮して、被後見人の生活や健康、療養等に関する法律行為を行うことをいいます。後見人は被後見人の意思を尊重し、本人が持つ価値観を視点に業務にあたる必要があります。そのためには、いかに意思決定支援を行えるのか、特に意思を言葉で示すことが難しい重度重複障害者の場合、これまでの生活歴や親の思い、関係機関からの情報などから、本人の心身の状態や生活状況に配慮した判断をしていくことが必要です。
りんご村の後見活動は、日頃から本人やその家族、施設職員やソーシャルワーカー、相談支援専門員、ボランティア、ヘルパーなど、本人に寄り添いながら関わる人たちとの連携・協力のもとに成り立っています。また、関係各所の後方支援も経験や知識の足りない事業運営には心強い味方です。このネットワークや、関係性があったからこそ、法人後見を受任することにつながったと思います。
りんご村は地域で暮らす障害者にとって、親亡き後、親の想いを受け継ぎ、関係機関と連携を取りながら本人の豊かな生活を一緒に考えていく立場であり続けたいと思っています。

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